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骨をボキボキ鳴らす矯正の効果や安全性について解説!

最近オステオパシーの関節矯正の事で質問を受けたので、オステオパシーの関節矯正の事について書いてみます。

オステオパシーはまず、ボキボキしないソフトな関節矯正・調整がある事で手技療法の専門家の間では有名です、関節調整法にソフトな調整法があるのでボキボキが嫌な方にはボキボキは使いません、ボキボキが嫌な場合はおっしゃつて下さい。

オステオパシーの関節矯正(調整)は、ソフト方法もボキボキの方法も全ての筋骨格系の脊椎や肋骨や上肢や下肢の関節に技法がありますが、今回はこの中のボキボキの関節矯正について説明します。

オステオパシーやカイロプラクティックや整体のボキボキ

このボキボキの手技はオステオパシーではHVLAやスラストと一般的に言われます、カイロプラクティックでもスラストと言ったり、またはアジャストと言います。

日本の民間の手技療法の整体の大半は、カイロプラクティックの関節矯正の手技を整体として行なっている所が多い様ですが、整体の場合は診断や技術や学識のレベルがまちまちの様です。

オステオパシーの関節調整

オステオパシーはソフトな関節調整法もあると書きましたが、ボキボキのHVLAだけでもカイロプラクティックと様々な点で実は違います。

オステオパシー独自の生体力学の観察に沿った診方で観察し施術しますし、関節機能障害の種類が多くそれに伴い手技があります、特に四肢関節や骨盤などでは特に多彩な手技を持ちます。

関節矯正の施術の組み立ての違い

アメリカの伝統的カイロプラクティックは関節機能障害に対して下準備無しで矯正を行う事が多い、一部のカイロプラクターや整体の方は筋・筋膜を緩めた後にボキボキの関節矯正を行う方もいます。

当院のフランス式オステオパシーではオステオパシー総合診断を基に、内臓オステオパシーを先にやってから関節矯正を行ったり、先に頭蓋仙骨系を行うこともあります。

関節機能障害より重要な問題が内臓系や頭蓋洗骨系にある場合は、筋骨格系の関節矯正より先に優先度の高い機能障害を施術します。

関節矯正するにしても関節に別のソフトな手技を加え、十分な下準備をして最小限の軽い力でソフトなHVLAを行う事が一般的です。ほとんどの場合がボキボキを先に行う事はオステオパシーでは多くありません。

常に受ける方にオステオパシー診断を行い、施術法や施術の組み立てを考え最適な方法をオーダーメイドに行い、安全性と効果を深く高めようとします。

関節機能障害と関節矯正の意義

 

関節機能障害はオステオパシーやカイロプラクティックや欧米の理学療法の方達の様々な研究が存在し、一部の情報は共に注目し合っています。

関節機能障害は一般的に、関節を繋ぎ止める構造の靭帯や関節包や関節ヒダや軟骨や滑液などが機能障害を維持する構造と捉え、この構造に関係する循環や神経も共に乱れた状態を維持すると考えられています。

オステオパシーでは他の手技療法よりいち早く、関節機能障害は関節の物理的緊張や運動制限や歪みの問題だけでは無く、神経の情報を乱し循環の効率を妨げる事から、関節機能のみの問題ではなく循環や自律神経の全体のバランスを乱し、自己調整・自己治癒の働きを乱し得ると考え、関節調整は関節だけの機能回復を超えた重要な意味合いを持ち得ます。

 事例

胃の不快な症状に関わる問題の原因が胃ではなく、左の肋骨のオステオパシー機能障害から起こることもあります。

この領域の肋骨頭の前の膜に収められた自律神経の交感神経から大内臓神経を伸ばし、腹腔神経叢となり胃などの左寄りの上腹腔臓器に神経を分布します、その中の胃では胃酸を保護するムチン酸を分泌を阻害します、肋骨の機能障害からから交感神経を刺激しムチン酸の分泌が抑制されると胃酸に対して胃が炎症を起こしやすく成ります。

 この例は現代医学のアロパシー(対症療法)は症状に対して薬などを処方するでしょう、オステオパスは胃の炎症を起こす機序を持続する原因の肋骨の関節機能障害を矯正し、正常な自己調節を取り戻し自然治癒を促します。

オステオパシーのボキボキは基本的にソフト

ファンクショナルテクニックはソフトな関節調整

 

基本的にオステオパシーはソフトな手技が多いです、不必要な痛みは手技の作用を阻害し易いからです。

オステオパシーの学校教育を受けたオステオパスであれば、HVLAを行ってはいけない禁忌を学んでいますので禁忌に該当する方には用いませんし、適応の方にもかなりソフトに行えます。

当院のボキボキはおそらく強い指圧よりかなり楽だと思います、矯正時に音がしやすいだけです。この矯正時の音に関してビックリしたり、逆に爽快に思ったり様々な様です。

東京オステオパシーキャビネでもかなりソフトな施術を行っておりますので気になる方は施術内容を御覧ください

⇒施術内容はこちらから

ボキボキの音の正体

この関節のボキボキ音を私達はよく「クリック音」または「ポップ」などと言います、この音の原因は関節を繋ぎ止める固くなった靭帯や関節包が可動域の範囲内で急速に伸ばされる事や、関節の滑膜内の滑液で起こるキャビテーションが原因とされています。

完全に分かっていませんが、一番有力な音の理由は滑膜関節の滑液がキャビテーションと言う現象が引き起こる事が最も多いとされていますので、このキャビテーションの事を説明します。

ボキボキが起こる関節は滑膜関節

背骨や四肢の関節の多くは滑膜関節と呼ばれる関節です、滑膜関節は関節の部位が靭帯や軟骨だけの関節結合と異なり、関節の骨と骨の間に関節包と呼ばれる靭帯に類似した硬さを持った袋が繋がり、その関節包の中に滑膜があり、その滑膜は滑膜内の動脈から赤血球を濾して出される滑液がでて滑膜内を満たしています。

滑液は関節の機械的摩擦や衝撃を緩衝し、動きに対して滑りをスムーズにする作用と軟骨に浸透し代謝に関わります。キャビテーションはこの滑膜関節の滑液の中で起こります。

滑膜関節でキャビテーションのボキボキが起こる説明

 

関節は牽引や急速なHVLAを含めた動的変化が起こると、関節内の滑液で密閉された空間の容積が急速な速度で動き膨大する事で、滑液の成分が動的物理的変化に順応する為に分離が起こり、滑液内に窒素ガスを瞬時に発生させます、このガスの気泡の液体内の反響音でボキの音が起こります。

 この窒素ガスは画像で確認されていますが、窒素ガスは時間の経過と共に滑液に混ざり消えて行きます。

関節矯正の目的と効果

ボキボキと音を立てやすいHVLAは、関節機能障害の回復が目的でありボキボキ音を聴かせて満足させる物ではありません。

関節機能障害の改善は「歪み・運動制限・組織緊張」の緩和が起こり、関節機能に関連した神経の異常な反射や、循環の改善が働きだし自己調節・自己治癒の働きを促します。

HVLAを行うと音がし易い訳ですが、関節機能障害が改善方向に行けば音がしなくとも問題ありません。

エビデンスとボキボキ

ボキボキと音がしやすいHVLAやスラストには効果に関する研究が多く存在します。

様々な身体の部分の症状に対して効果を認める研究がありますが、その中で最も多いのは急性腰痛に関してで、多くの効果がアメリカ・イギリス・オーストラリア・ニュージーランドなどの大規模な研究でも分かっています。ただ正規のオステオパスやカイロプラクターが行う事が前提に有効性や安全性が分かっています。

ボキボキは危ないとのイメージで有害と思っている方もいますが、アカデミックな視点から観ると信頼できる有効な研究の方がネガティブな研究より多いのが現状です。

筋・筋膜と関節の関わり

関節機能障害の原因は筋・筋膜にあるとすると意見があります、確かに関節機能障害の原因の初期に筋・筋膜機能障害がある事もあり得ますが、筋・筋膜機能障害のみが関節機能障害の唯一の誘発原因ではありません

また関節機能障害は筋・筋膜機能障害を施術で緩めても必ず改善できるとは限りません。実は関節機能障害を脊椎に確認した被験者に筋弛緩剤を用いて関節機能障害が改善するかについて実験が行われました、筋・筋膜はもちろん弛緩しましたが関節の運動制限は残った事が確認され、関節局所の筋が弛緩しても関節制限が残る場合が研究で確認されている。

筋か関節か?

 

上記の研究から推察する事として、マッサージや指圧などの手技は筋・筋膜に作用し組織を緩めるとします。ですが筋・筋膜を緩めるとその筋・筋膜の弛緩により関節機能障害が必ずしも改善を起こす訳では無い訳です。

更に筋・筋膜の緊張が関節機能障害からの反射の影響を受けている場合は、筋・筋膜の緊張を解放する為にも、関節機能障害の解放が重要になりえます、実はこの例はかなり多いのです。

 逆に関節機能障害は異常な筋緊張や弛緩などの異常に関わる事もわかっていて、1947年のRustonらの研究では、筋に伸長が加わらないフォームから脊椎の関節矯正を行う実験で、その脊椎から出る脊髄神経の支配する筋の緊張が速やかに減少し、機能障害を持続した状態の筋力より強い力の出せるようになり、関節矯正で改善する事で筋の機能性の改善も筋電図(EMG)を用いた生理学的研究でも分かっています。

HVLAのリスク

HVLAはオステオパシー手技の中で最も禁忌が多い種類に属します。そのためオステオパシー学校やカイロプラクティックの国際基準の学校を卒業した方か、医資格や医療類似資格(柔道整復師・指圧あんまマッサージ師・鍼灸師)などの基礎医学を一定レベル学び更に、オステオパシーやカイロプラクティックの専門の機関で学んだ方には受ける事をお勧めします。

オステオパシーは身体の不調に対して非常に有効な手技が療法ですが全てに有効では勿論ありません。稀に自然治癒の範囲を超えた事には、現代医学に行くべき問題があります。

オステオパシー除外診断は専門的な内容ですのでここでは詳細は書きませんが、HVLAによるリスクは物理的な力に対して破損性の素地がある方や、神経が過敏になっている方には不向きです。この様な禁忌の素地が該当、または所見がある場合は本人がボキボキを好んでいてもHVLAは行いません。

腰に対するHVLAと外科手術のリスク

日本オステオパシーメディスン協会に私は所属していますが、HVLAの合併症で保険が使われた例は会発足以来私の知る限りでは一度もありません。

オステオパシー手技で合併症が起こる割合と、現代医学の整形外科の手術で合併症が生じる割合を腰のオステオパシー手技と外科手術を例に参考として書いておきます。

オステオパシーの腰椎回旋HVLAの危険性

合併症が起こる確率は0.00000001%で1億分の1と推定され、教育と訓練を受けた術者からの施術の場合は高効果低リスクとしています。

この手技はリスクがあると思われていますが、科学的な統計では危険性が極端に少ない手技といえます。

整形外科の手術の合併症

(腰椎の外科手術は基本的に、坐骨神経痛が重度で治らない方が受けています。)

  • 腰椎椎間ヘルニアの手術の合併症は約0,66%
  • 椎間板ヘルニアや脊椎滑り症に行う脊椎固定術の合併症は約25%
  • 脊柱管狭窄症の椎弓板切除術の合併症は約12%

アメリカの代替療法に詳しい医師のアンドリューワイル博士は、ごく一部の医師がカイロプラクティックやオステオパシーの関節矯正が危険とする主張に対して、科学的な視点からエビデンスを見ると全く言えないと言いました、更に彼は「ガラスの家に住む住民は人に石を投げては行けない」と言いました。

要約

当院のオステオパシーの施術では初めにも書きましたが、HVLAの禁忌に該当する方にはこの手技は使いませんし、HVLAを受けたく無い方には行いません、間接法などのボキボキしないソフトな関節調整法を行います。

HVLAがべつに嫌いでは無い方で禁忌に該当しない方で、関節機能障害がある方にはHVLAを行いますし、一部の適応の方の中でも特に使った方が良い場合すらあります。

オステオパシーはその人に必要な手技の一つとしてHVLAが存在し、HVLAを行う前に大半が前段階の手技を施し行いますので、安全性と効果がより高くなります。

HVLAは科学的研究で多くの効果がわかっています、ネガティブな研究より効果を示す研究の方が圧倒的に多い。また改善に導く機序が非常に合理的です。合併症などがほとんど無い安全な範囲の施術である事がわかっています。

参考文献

 エビデンスに基づいた徒手療法  マイケル・A・セフィンジャー&レイモンド・J・ハルビー

 徒手医学のリハビリテーション  カレル・ルイット

 腰痛は怒りである        長谷川淳史

 人な何故治るのか        アンドリューワイル

 
 

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